全国翻译资格考试日语三级笔译试题
は、生活規範(エチケット)の階層化された身分制社会の枠組みとは相容れないものだったからである。(3)
さて、身分制社会が消滅し服装の自由が確立されたときに、どんな状況が出現したのであろうか。各人が気ままな服を着た自由で多様性豊かな光景が出現したのかといえば、まったくそうはならなかった。多くの人々にいつのまにか類似の服装をさせてしまう、流行という名の新現象が発生したからである。しかも、この新現象は、生理的には必要がないと考えられるものまで買わせてしまう、そういう心理的な強制力を備えた動きなのであった。(4)
流行現象はすでに江戸時代からあったとよくいわれる。武家のようにヒエラルキーの尊重が最優先された社会では、服装の自由はむしろ制限されがちであった。ところが、町人階級では生地や色などの面で形式的には制限を強いられていながらも、実質的にはかなり自由な服装ができた。とはいえ、江戸時代においては、流行現象の規模は、明治以降とくらべればごく小さなものであった。それは流行というよりもブームと呼んだほうがよさそうである。社会のほとんどすべての構成員を巻き込んで進行する継続的な社会現象としての流行とは、質を異にするものであったといわざるを得ない。そもそも流行現象が成立するための基本条件としては、社会的な流動性の可能性が少なくとも理念的、制度的に保証されていることが必要だからである。(5)
ところで、身を装う自由が確立されただけでは、衣生活の発展も流行現象の普及も不可能であった。個人主義的な、かつ文化的な枠組みの登場が不可欠であった。つまり、個人のアイデンティティは身体表現を通して具体化される、という意識が一般化する必要があったのである。個人のアイデンティティが身分や職業といった社会的な枠組みに依存していた時代には、身を飾る必要はあまりなかった。そうした時代にあっても、個人のあいだで差異競争がなかったわけではないが、それは小さな集団の域を超えて広がるものではなかった。そのような社会(73)においては、流行は全社会的な現象になることはできない。(6)
社会的な枠組みに依存していた時代は、心理的にはむしろとても生きやすい時代だったのではないかと思う。自分で努力しなくても、すでに伝統や習慣といった出来合いの規範が用意されていたからである。それは、制服があれば「明日、なにを着たらいいのか」などと迷わなくて
もすむのと同じである。(7)
(71)ここの( )に入れるのにもっとも適当なものはどれか。
A.抵抗力 B.実行力 C.強制力 D.制御力
(72)ここの( )に入れるのにもっとも適当なものはどれか。
A.そこで B.だから C.まして D.ただし
(73)「そのような社会」とあるが、それの指す社会とは次のどれか。
A.人々の拠って立つ基盤が、身分制度の枠の中で確定している社会
B.身分や職業などの枠組みの中で、自由な差異競争が許される社会
C.ファッションが一つの文化として、社会制度的に認知された社会
D.個人のアイデンティティが、服装により自由に表現でき得る社会
(74)次の文は、(1)~(7)のうちのどこに入れたらよいか。
自分を社会のなかでいかに位置づけるか。衣服の流行には、このように自己の社会的な位置づけに対する強烈な欲望の存在が必要とされる。
(75)「文章5」の内容に合致するものはどれか。
A.流行現象は、服が寒さを防ぐ基本的役割よりも、流行を気にしデザインを考える人々の出現だけでは生じない。
B.流行現象は、個人のアイデンティティが、身分や職業といった社会的な枠組みに依存している社会では生じない。
C.流行現象は、服を形や色や素材で構成するゲームだと考える人々にとって、個性が確立した社会では生じない。
D.流行現象は、社会的な流動性の可能性が制度的に保証され、自己の社会的位置付けへの意識が強い時に生じる。
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